「子どもに読み聞かせをしたいけれど、タイミングや選ぶ絵本に迷う」
「どんな読み聞かせなら、子どもが興味を持ってくれるのか」
「読み聞かせをするときに気をつけることはあるの?」
このような疑問や悩みはありませんか?
小さなお子さんがいる家庭でふれあいの時間として活用されている読み聞かせは、言語の発達だけでなく心の成長にも良い影響をもたらすとされています。しかし自己流で進めていいのだろうかと、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで保育士歴6年・2児のママでもある私が、初心者でも簡単に始められる「読み聞かせの5ステップ」を解説します。
この通りに進めれば、あなたもすぐに読み聞かせを始められるでしょう。また、よくある失敗を避けるための注意点も3つ紹介します。ぜひ最後までお読みください。
1. 読み聞かせのタイミングを考える
読み聞かせは保育の現場でも家庭でも、読むタイミングを決めておくのがおすすめです。
毎日同じ時間帯に読み聞かせを行うメリットは、以下3つが挙げられます。
- 読み聞かせが楽しみになり、習慣化しやすい
- リラックスできる時間を設けることで、次の行動を促す区切りとしての役割を果たす
- 規則正しい生活のリズムがつけやすい
おすすめのタイミングは、外遊びの前やお風呂の前、寝る前時間帯など、大人も子どもも気持ちにゆとりができやすい時間帯。
子どもに読み聞かせをせがまれたら応えてあげるのはもちろんですが、日常で読み聞かせのタイミングを決めておくと、絵本を楽しむ以外の効果も期待できます。まずは読み聞かせに最適なタイミングを探してみましょう。
2. 絵本を選ぶ
読み聞かせる絵本の選ぶとき大切にしたい、2つのポイントについて説明します。
子どもに選ばせる
読み聞かせの絵本は文字がわからない年齢であっても、子ども自身に選んでもらうのがおすすめです。
この方法は、子ども自身の「選ぶ力」を育むことができます。また「自分が選んだものを大人が読んでくれる」というやりとりが、自己肯定感を高めることにつながります。
ただし以下の場合は大人が予め3〜5冊ピックアップし、その中から選べるようサポートした方が、スムーズな読み聞かせができるでしょう。
- 絵本に慣れていない子どもが選ぶ
- 保育現場で大人数に読み聞かせをする
子ども自身が納得のいく絵本選びは、満足感が高くなりお話に向かう姿勢も変わります。時間や状況が許すときは積極的に子どもに選んでもらうようにしましょう。
発達段階に合った絵本を選ぶ
絵本は年齢や発達段階に応じて、さまざまなジャンルを選んで読み聞かせることを意識します。
言葉や絵の理解は発達段階によってかなり差があるので、いくら良書と呼ばれるものでも対象年齢から大きくずれていると、読み聞かせても楽しさが半減してしまうかもしれません。
もし選ぶのに迷ったら、以下の方法がおすすめです。
- 昔から読まれている有名な絵本の中から年齢を考慮して選ぶ
- 絵本を配本している業者(絵本ナビ、童話館ぶっくくらぶなど)を利用する
- 「◯歳 絵本 読み聞かせ」で検索する
- 同世代の子どもがいる知人におすすめを聞く
子どもにとっては読み聞かせてくれる本のなかから、お気に入りの1冊を見つけるというのも楽しみの1つです。
ですから大人の好みや想いに偏りすぎない絵本選びを心がけ、子どもの思考や想像力を広げてあげましょう。
3. 子どもの見やすい位置で絵本を持つ
読み聞かせるときは、読み手が絵を隠さないように気をつけて絵本を持ちます。
2〜3人に読み聞かせるだけなら、絵が全部見えていればどんな姿勢でもあまり問題はありません。
しかし一斉保育中など大人数に向けて読むときは、子ども全員が見やすくなるよういくつかの工夫が必要です。
- 1番後ろにいる子どもまでよく見えるように、子どもの目線が若干上になるような位置で持つ
- 絵本に照明の光が反射するようであれば、絵本の上部を少し子どもたち側へ傾ける
- 読み始める前に、絵が見えているかどうかを子どもたちに口頭で確認する
- 大型絵本や紙芝居など、見やすいサイズを使用する
読み聞かせの姿勢自体は、お話を聞く子どもたちが見やすい状態なら過剰に気にする必要はありません。
しかし基本を押さえておけば、どのようなケースにでも対応しやすくなります。
4. 読み聞かせる
実際に読み聞かせる場面でも、持ち方と同様に細かいことは気にしすぎず進めます。
読み聞かせにおいて1番大切なのは大人も子どもも絵本の世界を楽しむことです。演劇ではないので「登場人物になりきらねば」「うまく読んであげなければ」と気負う必要はありません。
もし工夫をしたいのであれば、以下に気をつけて読むと変化が楽しめます。
- ページのめくり方に変化や緩急やをつけて、お話に「間」を作る
- 登場人物によって声の高さに変化をつける
- シーンによって、読むスピードや声の大きさを変える
絵本作家が作った世界観を子どもたちが十分に楽しめれば、読み聞かせは棒読みでも全く問題ありません。むしろ大人による過剰な演出は不要です。
5. 終わらせる
読み聞かせのあとは、終わったことがわかる声掛けをしましょう。
このとき、「おしまい」「おわり」などいつも同じ声掛けにしておくと、次の行動へ促しやすくなります。
声掛け以外だと絵本を閉じて裏表紙を見せるのもおすすめです。絵本によっては表紙と裏表紙が1枚の絵になっていたり、つながっていたりするので、表紙をゆっくり広げて見せてあげると絵本の余韻を楽しめます。
読み聞かせが終わると、場をつなぐために焦って話し出してしまう人もいますが、子どもたちを絵本の世界に浸らせてあげるのなら、シンプルに終わらせれば十分です。
読み聞かせをするときの注意点3選
読み聞かせでよくある失敗は「子どもが感じる絵本の世界を、大人が無意識に邪魔してしまう」ことです。
これを避けるために、以下の3つに注意しまょう。順番に解説します。
1. 身振りや手振り、セリフのアドリブはしない
絵本を読むときに声以外のアレンジは加えません。
作家が絵や文字を通して伝えたいことが、違った形で伝わることを防ぐためです。
子どもたちは動作や予定外のことに気を取られやすいため、身振り手振り、いつもと違うセリフがあると絵本の世界に集中できなくなります。
過度なアレンジはせずシンプルに絵とお話を楽しめるような読み方を心がけましょう。
2. 読み終わったあとの感想は求めなくていい
絵本を読み終わったあと、自分の見解を述べたり子どもたちに感想を求めるのは控えましょう。
絵本の内容や感想をうまく言語化できない子どもたちでも、視覚や聴覚で絵本の世界を十分に感じて余韻を楽しんでいます。しかし感想を求めてしまうと、その余韻が思考によって遮られてしまう可能性があります。
もし子どもたちが自発的に感想を述べてきた場合は、それを聞いて受け止め、ほかの子に共有するにとどめます。
自分以外の意見を知るのは成長過程では大切なことですが、読み聞かせでは絵本を一緒に楽しむことが優先事項です。大人が見解を述べてしまうと、子どもたちの思考が画一化されてしまうこともあるので、お話するなら感想ではなく、物語の概要を振り返るにとどめましょう。
3. 話が予定時間内に終わりそうになくても、早口で読まない
話が思ったより長くなってしまいそうなときでも話を省略したり、早口で読むのはやめましょう。
絵本は時間内に読み切るのもいいですが、子どもの理解に応じたスピードで聞かせた方が、結果として実りある時間が過ごせます。
早口や話の省略を防ぐには以下のことを心がけます。
- 絵本に予め目を通し、どのくらいの時間が必要か把握する
- 読み終わらない場合は、きりのいい場所でやめて複数回に分ける
- 話の続きを翌日に持ち越した場合、興味がなければ続きを読まなくてもよい
年齢が進むにつれて、内容が長い絵本を読み聞かせる機会が増えてきます。1度で読みきれないときは「読み聞かせは◯分間」「今日はこの段落まで」と子どもたちと約束しながら、読み聞かせを行うといいでしょう。
またお話を聞き始めたものの、内容が難しかったり世界観に入り込めなかったりすると続きを聞きたがらない場合があります
このときは子どもの気持ちに寄り添い、再びリクエストされたときに読んであげましょう。
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